相続人のうちに認知症の方がいる場合の必要手続
1 相続人に認知症(意思能力が乏しい)の方がいる場合
高齢化社会の反映で、相続人の方が70歳代と言うのは珍しくありません。 お元気な相続人も多いですが、中には成年後見人がついておられる方や、認知症が進んでおり成年後見人を選任したほうよい方もいらっしゃいます。 遺産分割協議には、法律上の行為能力が必要ですので、相続人の中にお一人でも成年後見人を選任したほうが良い方がいらっしゃる場合には、遺産分割協議ができないことになります(利益相反が問題とならない成年後見人がいる場合には、成年後見人と他の相続人とともに遺産分割協議をすることになります)。
2 後見開始の申立ての際の注意点
後見開始の申立てをする際には、①被後見人の財産・収入関係を明確にして家庭裁判所に申立てをする必要があること、②予納金の用意(遷延性意識障害など明らかな場合を除き家庭裁判所が選任した医師が意識レベルを鑑定して後見か、保佐か、補助かを鑑別することになり、その鑑定費用に充てられます。おおよそ10万円の予納が必要となります)、③選任された後見人が親族の場合には、1~3か月おきの収支報告が求められること、④複雑な事案と言うことで法律専門職が後見人に選任されると、毎月の報酬が発生すること、⑤成年後見人が相続人である場合には、遺産分割協議をするには、後見監督人又は特別代理人の選任申立てを要することに注意が必要です。 特に③については、領収証は整理して保存し、収支を記録していく必要があるので、慣れないと非常に負担が重いと思われます。
3 お困りの場合には
相続人の中に認知症の方がいて、遺産分割協議がうまく進みそうにないという場合には、このように、色々と検討することがあります。お困りの場合には、是非たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。法務面と税務面の両面から助言いたします。
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