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遺産分割

世話をしていた叔母が亡くなり、相続人が20人もいます。自分は後見人ですが、全員を相手に遺産分割協議をしなければなりませんか?

相談者
年代:Kさん/60代/
性別:女性

ご相談の経緯

20人もいる相続人全員と遺産分割協議をするのか

遠方の叔母が年老いてきたので、姪であるKさんが引き取り、大阪で世話をし、叔母さんの成年後見人になって収支・財産管理をしていました。叔母が亡くなり、後見人でもあったKさんは相続手続きをしようと思ったのですが、遺言はなく、法定相続人が20人ぐらいいます。全員を相手に遺産分割協議をするとなると、労力が大きいわりに個々の取り分は少なく、まとまる気がしません。どうしたものかと考えているうちに、叔母が所有している大分の不動産が長い間空き家になっており、役所から「どうにかしてくれ」との要望もあり、困ったKさんは弁護士に相談することにしました。

ご相談のポイント

相続人が多い場合は相続分を集約する

遺言もなく相続人が大勢いる場合の遺産分割協議は困難を極めます。分割する財産が多いと揉め、少ないと参加意欲が薄れて、全員の意向がまとまらないからです。そのため、相続人が多い場合は家庭裁判所でも事前に相続分の譲渡を受けて予め相続人を集約することを推奨しています。それに則り、Kさんに相続分を集約させるために、他の相続人に対して相続分を買い取るというかたちで相続分の譲渡をお願いしました。最終的には15人分の相続分を買い取ることができ、Kさんを含めた残った5人で遺産分割調停を行うことになりました。

たちばな総合法律事務所に依頼された結果

相続分を集約したKさんが大多数の財産を相続

相続分の譲渡に関して、最初は手紙、次に電話、直接会って説明するという段階を経て進めていきました。叔母を世話し、後見人でもあるKさんの申し出にほとんどの相続人が快諾してくれました。

最終的に残った5人で遺産分割調停を行いましたが、そのうちの一人が「Kさんは信用できない。通帳から出金された額が多額であり、使途が不明である。」と厳しく非難してきました。それに対して、使途不明金については、成年後見人として作成していた家計の収支を見せて説明をしました。また、叔母さんの不動産の査定や売却の仲介については相手方が希望した業者に仲介してもらうなどして、手続が早期に進むように配慮しました。最終的には、法定相続分どおりの分割になりましたが、15人分の相続分を買い取ったKさんが大多数の財産を相続するということでまとまりました。

弁護士からのコメント

遺産分割調停から相続税申告までワンストップ

相続人の集約はある程度進みましたが、遺産分割調停では残った相続人の一人がこちらを信用してくれなくて若干難航しました。当初、不動産の売買や預金関係の解約も本職以外の相続人がやると主張されていたのですが、調停委員の方が「むずかしいから弁護士に任せたほうがいい」と説得してくださって、こちらで解約手続きの代行をすることになりました。

また、売却した不動産の譲渡取得税の申告まで、対応しました(税理士法人羽賀・たちばな)。昭和20年代の購入物件だったので、購入時の価格がわからず概算取得費用を使い、不動産売却益を明確にしました。また、撤去費用や測量費用など、経費計上できるものは経費として適切に処理することで、節税しました。それまでの正確な資料や流れもすべて把握しているので、相続開始から税申告まで比較的スムーズにできるのが当事務所の強みだと思います。

まとめ

相続人が多いとその人数だけ考え方が異なり、スムーズな遺産分割協議はむずかしくなります。それまで被相続人に関心がなく疎遠でも、「もらえるものは受け取りたい」と考える相続人がいるのも当然です。 相続人の集約は、7~8割の相続人までは当方の提案に応じてくれますが、残りの相続人の集約は難航し、遺産分割調停を利用せざるをえないことが多いです。 当事者同士で相続分の集約がむずかしい、遺産分割協議が難航しそうだという場合はできるだけ早く弁護士にご相談ください。早い段階で第三者が介入することで、気持ちの衝突を避け、比較的スムーズに解決できる可能性が高まります。

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