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相続放棄

借金のある祖父が亡くなり、父が相続放棄をすることにしましたが、弁護士に手続きをお願いしている最中に、父が急逝してしまいました。こういうときはどうすればいいのでしょうか。

相談者
年代:30代
性別:男性

ご相談の経緯

相続放棄の手続き中に父が急逝してしまった

祖父が亡くなり、父が遺産相続をすることになったIさん。負の遺産が多かったため、相続放棄したいと父が言うので法律事務所に手続きを依頼しました。ところが、その最中に父が急逝。まだ相続放棄の手続きの途中だというのに、このままではどうなってしまうのでしょうか。心配になったIさんは手続きを依頼した当事務所に連絡しました。

ご相談のポイント

相続放棄する前に相続人が亡くなっていたら

もしもIさんのお父様が相続放棄の手続きをする前に亡くなっていたとしたら、お祖父様の遺産はどうなるのでしょうか。この場合、お父様の相続分は配偶者であるお母様と子のIさんで分けることになります。これを再転相続といいます。借金のような負の財産であっても相続分は変わりませんので、相続放棄する場合にはIさんとお母様がそれぞれ手続きする必要があります。相続開始から3ヶ月間は熟慮期間として、お祖父様の相続財産とお父様の相続財産はそれぞれ別の相続として扱われます。この期間内であれば、お祖父様の遺産は相続放棄し、お父様の遺産を相続する選択もできます。

今回のケースでは既にお父様は相続放棄の手続きの申請はしていますが、裁判所に受理されていない状態です。この場合は受継手続きという特別な手続きをすることになります。

たちばな総合法律事務所に依頼された結果

受継手続きをして相続放棄の手続きを完了

通常、相続放棄は、家庭裁判所によりますが、申立てをしてから約10~14日で相続放棄申述受理通知書が届き、手続きが完了することが多いです(事案によっては、家庭裁判所から、申立人本人に直接照会書が送付されることがあり、その場合には、慎重に回答する必要があります)。今回はその間にお父様が亡くなってしまったのですから非常にレアなケースといえます。前例が少なく、調べる必要がありました。もし、なにもしなければ、裁判所から亡くなったお父様宛に相続放棄申述受理通知書が届きますが、亡くなっているので無効な決定になります。そのため、相続放棄の手続きを誰かが受け継いで完了させる必要があります。弁護士は文献をコピーの提出と事情の説明をし、受継手続きを行いました。お父様の戸籍に相続放棄の申し立て後に亡くなった旨の記録が残り、お祖父様の相続は終了となります。

弁護士からのコメント

前例が少ない稀な場合も弁護士ならすぐ対処できる

今回のケースは、最初に相続放棄の手続きをご依頼いただく際にお父様一人では心配だとお子さんが付き添われていました。そのため、お父様が亡くなったという連絡もすぐにいただけました。連絡がなければそのまま終わっていた事案で、もしも受継手続きをしていなければ、後になってから相続放棄はどうなったのかと少々問題になったかもしれません。受継手続き自体はそう難しいことではないのですが、稀なケースですので前例が少なく、いざ問題になった際に悩むことになっていたかと思うとすぐにご連絡いただけて良かったです。

まとめ

相続放棄をするには相続開始から3ヶ月以内に必要書類を集めて被相続人の最後の住所を管轄する家庭裁判所に提出しなければなりません。今回のケースのように予測のつかない出来事が起きることは稀ですが、相続放棄にも注意すべき点はいくつかあります。もちろん個人で手続きすることは可能ですが、経験豊富な弁護士に依頼するとスムーズに相続放棄の手続きが完了します。不安がある場合はぜひ弁護士に相談されることをおすすめします。

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