死亡から約2年後の相続放棄が認められた事例

2016.6.17

1 相続放棄のできる期間

 相続放棄のできるのは、「自己のために相続があることを知った日」から3か月の期間です。被相続人が亡くなったのを知った日から3か月経過後は、相続放棄できないように読めますが、「自己のために相続があることを知った日」は、被相続人の死亡と債務があったことの両方について知った日とされています。
ただし、被相続人の財産について処分、例えば預金を解約して費消してしまうとかすると、法定単純承認として、放棄できなくなります。

2 解決事例

 事案は、子の借り入れについて親が保証し、子は払えなくなって破産したのですが、親は破産を申し立てする前に亡くなった事案です。親は、子とは別の弁護士に破産を依頼したのですが、その弁護士が亡くなってしまい、債務がしばらく宙に浮いた事案でした。
債権者からの請求書を受け取られてすぐに相談にお見えになりました。本職は、相続放棄の申し立てをしましたが、家庭裁判所は、法定単純承認があるのではないか、子が破産したとはいえ主債務者だったのだから親が破産しておらず負債があることを知りながら、死亡後3か月以内の放棄手続をとらなかったのではないかという問題意識を持たれました。
この点については、親には財産がないことの証拠を提出し、債権者への返済が長期間滞っており亡くなった時点で債務がないと考えたのはやむを得なかったことに関する証拠を提出して、家庭裁判所に何とか相続放棄申述を受理していただきました。

3 請求書受領から3か月以内の申立を!!

 相続放棄は、死亡後3か月以内であれば特に問題もなく受理していただけますが、3か月を経過すると、やはり受理する可能性は低くなります。
しかしながら、債権者からの請求書が来た場合でも、受け取ってから3か月以内に相続放棄の申述をして、裁判所の疑問点を解消していけば受理が認められるといえ、本件はその一事例と言えます。

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「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。