このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)
大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
相続分の譲渡とは、相続人が遺言で指定された相続分(指定相続分)、又は遺言による相続分の指定がない場合は、法律で定められた相続分(法定相続分)を、他の相続人又は第三者に、譲渡することをいいます。
遺産分割協議前に相続分を他の相続人に譲渡すると、「譲渡」という言葉だけで税金が発生しそうな気がしてしまいます。
しかし、遺産分割協議前に相続分を他の相続人に譲渡することは、遺産分割の一環ととらえることができますので、相続分の譲渡それ自体に税金は発生しません。例えば相続人として子供A、B、Cがいて、Aが自己の相続分1/3をBに譲渡しても、それは遺産の一部分割と現象としては同じです(その意味で、当該不動産について、相続分を放棄することも同じ帰結となります。)。
もちろん、被相続人から承継した財産に対する相続税は発生していますが、その税額全体がAの相続分の譲渡により左右されるわけではありません。