相続人に認知症の方がいる場合の注意点

2016.1.20

1 相続人に認知症の方がいる場合

 高齢化社会の反映で、相続人の方が70歳代と言うのは珍しくありません。そのため、相続人の中に認知症の方がおられる場合があり、遺産分割協議をするために成年後見の申し立てを要する場合があります。

2 後見開始申立てで注意するべきこと

 後見開始の申し立ての際に、成年後見人の候補者として配偶者や子などの同順位の相続人を挙げる場合が多いです。
しかし、①遺産分割協議をするには、利益相反の問題がある場合には、後見監督人や特別代理人を立てる必要がある点に注意が必要です。さらに、②後見人に選任されると、1か月~数か月ごとに収支報告書の提出、通帳や領収証の写しの提出を求められ、これは被後見人がお亡くなりになるまで続きます。特に②の収支報告の提出等は、何年も、場合によっては10数年と続きますので、候補者としては、認知症の方の配偶者が適任ではあるのですが、配偶者の認知能力の衰えの兆候がある場合には他の方を候補者として立てる場合もあります。
また、後見開始の申し立てに当たっては、被後見人の財産関係、収入関係を明確にしたうえで申立てをする必要があるほか、認知症のレベルに関する医学鑑定の費用(10万円ほど)の予納を求められますので(遷延性意識障害など財産管理できないことが明らかな場合は除きます)、申立てに当たっては誰の負担となるかに留意して申し立てる必要があります。

3 お困りの場合には

 相続人の中に認知症がいて困っている、成年後見申立てをしないといけないが、どう進めたらよいかわからない、相続手続をどう進めたらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、https://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

事業承継・相続 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。