行方不明の相続人がいる場合の注意点

2016.1.18

1 相続人の中に行方不明の方がいる場合

 相続人の中に行方不明者がいる場合、行方不明となった時点から7年経過していれば失踪宣告の申立て、そうでなければ不在者財産管理人の選任申立てを基本に検討します。失踪宣告については、行方不明の始期についての立証のハードルが高めということと申立てから失踪宣告まで少なくとも1年はかかりますので、相続財産の不動産などを早急に換価する必要がある場合には向いていません。

2 不在者財産管理人の選任の注意点

 ただ、不在者財産管理人の選任申立ての際も、注意するべき点があります。

⑴ 管理人候補者を探す、いない場合には専門職が選任される

 相続人は利害関係がありますので管理人になることができませんので、おじさんやおばさんなど利害関係を有しない親族の方を候補者になってもらうことになります。もっとも、不在者財産管理人の職務は、遺産分割協議で終了ではないので、その点で候補者探しに難航することがあります。また、親族で候補者がいない場合には、弁護士や司法書士など専門職に候補者になってもらいますが、相続財産に換価できるものが乏しい場合には予納金(専門職の報酬に充てられます)を求められる場合があります。

⑵ 申立てまでに最低2か月、申立後選任までにさらに数か月かかる

 「行方不明」という点を立証する必要がありますので、戸籍謄本や附票の収集で1か月は最低かかり、行方不明の相続人の最後の住所地が遠隔地の場合に調査の費用と時間がかかります。なお、「行方不明」の期間は、1年は必要です。
行方不明に関する証拠がそろってようやく申立てとなりますが、管理人の選任まで数か月かかります。

⑶ 権限外許可の申立て

 不在者財産管理人には、遺産分割協議を行う権限がありません。そのため、家庭裁判所から権限外許可を得る必要がありますが、法定相続分を下回る遺産分割協議は認められないことに留意する必要があります。

⑷ 不在者財産管理人の職務は遺産分割協議で終了とならない

 不在者財産管理人の選任申立ては、遺産分割協議をする動機で行われますが、選任された管理人は、行方不明者が現れる、行方不明者が死亡(現実に死亡していることがわかる場合と失踪宣告の場合があります)まで財産管理をしなければならないということです。
これらの問題点がありますので、相続人の方に行方不明、連絡がつかない方がいる場合には、弁護士に早急に相談する必要があります。

3 お困りの場合には

 相続人の中に音信不通の人がいる、行方不明の人がいるなど相続手続をどう進めたらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、https://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6770-7212にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

事業承継・相続 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。