遺言、信託契約などを作成すべき場合(遺産の大半を不動産が占める場合)⑤

2015.12.17

1 遺産の大半を数筆以上の不動産が占めている場合

 不動産と言っても、価値があるものから、借地権付きで処分が容易でないもの、固定資産税負担だけが重い価値のないもの、さらには建築ローンなど担保に入っているものまで様々です。
この場合には、どの不動産をどう分けるかでもめることになります。

2 「共有」は紛争を先送りするだけ

 もっとも、単に共有のままとする分割では、紛争を先送りするだけです。共有者となった相続人の置かれた立場、経済的境遇は、色々ですので、早い時期から売却をする解しないか、売却するとしてもどの不動産を売却するのか、いくらで売りに出すのかなどでもめることになります。

3 現物分割、換価分割、代償分割も一長一短あり

 そのため、共有とならないように各不動産ごとに単独所有する人を決める現物分割、不動産の売却代金を分ける換価分割、特定の人が不動産を取得して過不足が生じる場合に金銭をやり取りする代償分割を検討することになります。
もっとも、上記の現物分割は、不動産の評価額、どの不動産を取得するか(押し付けるか)でもめることになります。換価分割はどの不動産から売却するかという問題や譲渡所得税の納付への対処もありますし、代償分割は代償金を用意できるのかという問題もあります。分割方法の特徴に合わせて協議するほかありません。

4 対処方法

 不動産の内容や筆数によりますが、遺言書作成、信託契約のほかに、生前贈与(相続時精算課税の適否についても検討を要します)、保険の活用など総合的な承継対策をすることになります。

5 お困りの場合には

遺産に不動産が含まれているが、どう分割したらよいかわからない、分割協議をどのように勧めたらよいかわからない、相続手続をどう進めたらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、https://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

事業承継・相続 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。