遺言、信託契約などを作成すべき場合(生前贈与の額に大差がある場合)②

2015.12.8

1 子供への生前贈与額にかなりの差がある場合

 遺言などを残すべき場合は、言い換えると、遺産分割協議の際に揉める可能性が高いケースということになります。
子供への生前贈与額にかなりの差があると、遺産分割でもめることが多いです。例えば、「姉には結婚資金でまとまったお金を渡したのに、私にはくれなかった」とか、「医学部に進学した兄には莫大な学費を払っていたのに、自分には全くなかった」などのケースです。また、遺言書に生前の贈与に関する記載がなかったため紛争になるケースもあります。

2 特別受益を巡る争い

 生前の贈与は、「特別受益」として、遺産に加算して分割協議することになりますが、贈与の有無や金額を巡ってシビアな争いとなります。
しかも、相続税と異なり、加算する生前の贈与は、3年という縛りはなく、立証ができれば何十年前の贈与も対象となります。

3 対処方法

 生前の贈与(特別受益)がある場合には、遺言で持戻し免除の意思表示に係る条項を置いておくと、特別受益の加算はなく、相続開始時点での相続財産のみが遺産分割の対象となります。
したがって、子供への生前贈与額に差がある場合には、遺言書を作成して、持戻し免除の意思表示に係る条項を置くことをお勧めします。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

  • 自筆遺言書作成プラン
  • 公正証書遺言書作成プラン

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
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  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。