相続人に未成年者や認知症(成年被後見人)の方がいる場合の手続

2016.8.23

1 相続人に未成年者がいる場合

  相続人に未成年者がいる場合の 相続の事案では、たまにご主人が若くして亡くなり、奥さん(母親)と未成年の子供が残されるケースがあります。母親は、親権者ですが、遺産分割協議の場面では、お子様と利害が対立します(お子様が法定相続分より多く取得すると、母親は法定相続分より少なくしか取得できません)。
そのため、遺産分割協議をする場合には、家庭裁判所に特別代理人の選任申立てをして、母親と特別代理人との間で分割協議をする必要があります。

2 相続人に認知症の方がいる場合

 高齢化社会を反映して、相続人に成年被後見人の方がいる場合で、成年後見人・成年被後見人共に相続人という場合があります。この場合も成年後見人・成年被後見人の利害が対立しますので、遺産分割協議をするには、特別代理人の選任が必要となります。
なお、相続人の中に、認知症ではあるが、成年後見が開始されていない方がいる場合には、保佐または補助レベルにとどまるかもしれませんが、後で遺産分割協議が無効等とされないためにも、成年後見開始の申立をする方が安全でしょう。

3 特別代理人による法定相続分より少ない協議は難しい?!

 なお、特別代理人は、あくまで未成年者や成年被後見人の利益を追求することが職責ですので、法定相続分を下回る遺産分割協議に応じることは、かなり難しいということには注意が必要です。
例えば、1のケースで、仮に特別代理人が母親が死亡した場合には子供が遺産を相続するだろうと考えて母親が全ての遺産を取得すると言う協議を成立させても、母親が再婚して再婚相手との間に子供を設けると、未成年者の相続分は減少します。また、そもそも、額面が同じ財産でも、将来の1万円と現在の1万円とでは、運用益や使用利益の点からすると現在の1万円の方が価値が高いです。

4 お困りの場合には

 相続人に未成年者や認知症の方がいる場合などで相続手続をどう進めたらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、https://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。