遺留分減殺請求と相続税申告

2016.8.2

1 遺留分減殺請求の民法上の性質~減殺請求=申告?

 民法上は、遺留分減殺請求をすると、遺留分割合に相当する物権が移動すると解釈されています。つまり、遺留分1/4を有する相続人が包括受遺者に遺留分減殺請求の意思表示をすると、不動産については請求者1/4と包括受遺者3/4の共有となり、共有の解消方法は家裁ではなく地裁で処理されます。
そうすると、遺留分減殺請求者は、共有の解消の有無を問わずに相続税の申告を要するように見えます。

2 遺留分額の確定に時間を要することによる修正~減殺請求=申告ではない

 もっとも、実際の遺留分減殺請求の事案では、請求して自動的に請求者が取得する財産が確定するわけではなく、遺言の文言、価額弁償の申し出の有無、金銭債権の当然分割論などの色々な問題点があるため、調停や裁判を通して時間をかけてようやく解決されます。
そのため、相続税法基本通達11の2-4は、単に遺留分減殺請求の意思表示があった段階では、遺留分減殺請求者が相続税の申告をする必要はない、正確には包括受遺者が遺産全部を取得したとして相続税の申告をしなけれならない旨を定めています。
そして、請求者は、和解交渉、裁判等で返還又は弁済額が確定したら、速やかに期限後申告又は修正申告をして相続税を納付する必要があります(包括受遺者は、確定日から4か月以内に更正の請求により減額更正処分を税務署・国税局に求めなければなりません)。
なお、上記の期限後申告・修正申告を速やかにした場合、無申告加算税や過少申告加算税、延滞税は発生しません。
但し、収益不動産について、請求してから確定までに発生する賃料について所得税の申告を検討する必要がありますので、注意が必要です。

3 お困りの場合には

 遺留分減殺の意思表示をしたが、相手方が払ってくれない、遺留分と相続税申告(期限後申告、更正の請求)をまとめて処理したいなどで分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、https://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6770-7212にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

事業承継・相続 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
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  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
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  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。