このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)
大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
「名義預金」・「名義株式」は、相続税やその税務調査で特有の表現ですが、要は相続人名義であるものの、実質的には被相続人の財産である預金や株式を意味します。
預金や株式が被相続人のものか、相続人のものかは、色々な事実を総合考慮して判断されることになりますが、①お金を出した人、②管理者、③運用者、④利益を享受した人、⑤被相続人と名義者との関係、⑥贈与の有無と名義変更の有無などから総合的に判断されます。
上記の各点については、さらに具体化して検討することになり、例えば①であれば当時の被相続人と相続人の収支を検討する必要がありますし、②については通帳やキャッシュカードの管理者が誰かはもちろん、結婚等により住所が異動している場合に変更届が出されているかなども検討しなければなりません。
相続税の申告の有無にかかわらず、預金や株式が被相続人のものか、相続人のものかの判断は、遺産分割協議の対象か、遺産確認訴訟の提訴の要否の検討にかかわりますので、名義預金・名義株式が誰の者かという視点は必要です。