相続放棄者の相続税負担の面からのデメリット

2016.3.31

1 相続放棄者が相続税を負担する場合とは?

 相続手続きの中の相続放棄をすると、相続財産を取得することはないので、相続税とは無関係であると思いがちです。
しかし、相続放棄しつつ、死亡保険金を受け取ることはよくりますし、死亡退職金を受け取ることもあります。また、相続放棄しつつ、遺言による遺贈を受ける場合もあり得ます。

2 相続放棄した場合の相続税法のデメリット

 ただ、相続放棄すると、「相続人」ではなくなるので、相続人を前提とする相続税法の特例の適用が受けられません。
例えば、①死亡保険金・死亡退職金の非課税規定の適用はありませんし(相続税法基本た通達12-8、12-10)、②相次相続控除の規定の適用もありませんし(相続税法基本通達20-1)、債務控除の適用もありません(葬儀費用については負担した場合には控除可能とされます。相続税法基本通達13-1)。
なお、配偶者の税額軽減(相続税法基本通達19の2-3)、未成年者控除(相続税法基本通達19の3-1)、障害者控除(相続税法19条の4第1項)については、相続放棄者にも適用可能です。

3 相続放棄の判断基準

 もっとも、相続放棄するかは、被相続人の債務から逃れられるかを最優先検討事項として、検討するのが無難で、相続税の負担は二次的な判断要素であることに注意したほうが良いでしょう。

4 お困りの場合には

 相続放棄して保険金を受けた取ったときの相続税はどれくらいになるか、相続手続をどう進めたらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、http://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

事業承継・相続 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。