遺産相続でもめる原因・対策・解決法を徹底解説

2026.2.16

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1. 遺産相続でもめる原因・対策・解決法を徹底解説

遺産相続は、家族間のコミュニケーション不足や財産の内訳の複雑さから、意外なほど揉め事が起こりやすいテーマです。

「うちは財産が少ないから大丈夫」
「兄弟仲が良いから心配ない」と考えている家庭ほど、いざ相続が発生すると感情的な対立が生じ、泥沼化するケースが後を絶ちません。

本記事では、なぜ相続でトラブルが生じるのか、どのような家庭が揉めやすいのか、そして具体的な解決策や未然に防ぐ対策を詳しく解説します。

また、不動産を含む場合や遺言書があっても揉める理由など、実際の事例に基づいた注意点を取り上げます。
円満な相続を実現するために、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

1-1. 相続でもめるのはなぜ?問題の背景

遺産相続問題は、金額の大小にかかわらずあらゆる家庭で起こり得るという点が特徴的です。
司法統計(令和4年度)によると、家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち、遺産総額5,000万円以下のケースが全体の約4分の3を占めています。

相続開始後に「うちは資産家ではないから」という先入観から、相続人間で話し合いをせずにいるとトラブルの原因となることがあります。
また、実家の不動産や名義のわからない銀行口座など、細かい情報の整理が不十分だと相続人間で意見が食い違う原因となります。
さらに、遺言書の有無や作成のしかたが不適切であると、相続人同士の主張が対立しやすくなります。

こうしたトラブルの背景には、家族同士のコミュニケーション不足や相続に対する理解不足が大きく関係しています。事前に正確な情報を共有し、円満な手続きを進めるための備えが重要です。

1)生前対策が不十分で話し合いが足りない

相続問題の大きな要因のひとつとして、被相続人が存命中に生前対策を行っていなかったことが挙げられます。

「話題にしにくい」と話し合いを避けていると、相続開始時に誰が何をどう相続するかが不明確になり、トラブルに発展します。
特に、高齢の両親が所有する不動産の管理状況や、預貯金の口座情報などが曖昧なままだと、相続人同士で疑心暗鬼が生じ、争いの火種となります。「そんな財産があるとは知らなかった」という事態を防ぐためにも、最低限の整理が必要です。

家族間で相続に関する意識を合わせることで、公平感を維持しやすくなります。専門家の助言を得ながら生前対策を行い、全員が納得できる形を目指すことが大切です。

2)遺言書の未作成や内容の不備

遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議をおこないます。

基本的には、法定相続分(民法で定められた相続の割合)を基準に財産を分割することになります。実際には介護の負担や生前贈与の有無など個別事情があるため、分割を進めようとした際に相続人間でこれまでの不満が生じやすいのが現状です。
結果的に遺産分割協議が難航し、相続人同士の感情的な対立を招きがちです。

そこに加えて、手書きの自筆証書遺言が不完全だったり、法的な要件(全文自署、日付、押印など)を満たしていなかったりすると、その有効性を巡ってさらに揉める可能性が高くなります。

「遺言書があるから安心」ではなく、正しく作成されないと逆にトラブルの原因になります。

対策としては、公証人の関与で正しく作成される公正証書遺言を検討することが望ましいでしょう。
法的に有効な遺言書を残すことで、相続発生後の混乱を大幅に防ぐことができます。

3)分割しにくい不動産や事業資産がある

不動産や事業用資産は現金や金融資産と違い、1円単位で綺麗に分けることができません。
誰がその不動産を引き継ぐのか、あるいは売却や事業承継をどうするのかといった点が不明確だと紛争に発展しやすいです。

特に実家や店舗など、思い入れのある不動産をめぐると感情的にも対立しやすい傾向があります。
例えば、「長男一家が同居して住み続けたい」と主張する一方で、「他の兄弟は売却して現金を分けたい」と主張するなど、家族ごとに利用の目的や負担の意識が異なるため、調整が難航しがちです。

対策として、遺言書作成時に不動産の評価額を算定し、その評価を踏まえた公平な分割内容となるよう配慮します。
あわせて、誰に事業譲渡を行いたいのかを決定し、事業用資産の管理責任を明確にしておくことも重要です。

共有名義を避けるためには、生前のうちに「不動産を売却して現金化する」か、「誰が相続するか」を家族でしっかりと話し合っておくことが重要です。

1-2. 相続でもめる家族の特徴とありがちなケース

相続トラブルには明確な傾向があります。
特に以下のような特徴を持つ家族は、事前の対策が不可欠です。

1)兄弟姉妹の仲が悪い・遠方に分散している

兄弟姉妹が普段から疎遠であったり、遠方に離れて生活している場合、情報共有不足からトラブルになりやすくなります。

連絡や調整に時間がかかり、一部の兄弟姉妹だけで話が進んでしまうと不平等感を招き、騒動の火種になります。

特に親の介護等で負担していた同居の兄弟と、遠方で離れている兄弟の間では、家庭の事情や財産状況を把握しているかどうかで温度差が生じます。「親の面倒を見たのだから多くもらって当然」と考える側と、「法律通り均等に分けるべき」と考える側で対立しがちです。

メールや電話だけでは誤解が生じやすいため、できる限り直接会って協議を行い、全員が納得できる形を追求することが大切です。

2)相続人の数が多い、複雑な家族関係がある

再婚や離婚、内縁関係、認知子など、相続人が多く関係が複雑な家庭ほど、話し合いをスムーズに進めるのが難しくなります。
一人ひとりが求めるものや感じる公平感も異なるため、合意(遺産分割協議の成立)に時間がかかります。

また、家庭の事情が複雑であるほど、隠れていた相続人の存在が後から発覚するケースもあります。
その場合は法的にも話し合い(遺産分割協議)をやり直す必要が生じ、さらなるトラブルを招きかねません。

対策としては、生前に戸籍謄本等を収集し、相続人が誰なのかを確定させておくことが第一歩です。
特に離婚や再婚が繰り返されている場合は、司法書士や弁護士などの専門家のサポートも有効です。

3)介護負担や生前贈与が不公平だと感じる

親の介護を担っていた子どもと、介護にあまり関わらなかった子どもでは「相続の取り分」をめぐる意識が大きく異なります。
ここで問題になるのが民法上の「寄与分」という考え方です。

被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした相続人は、本来の相続分に上乗せして財産を受け取れる可能性がありますが、この「特別の寄与」の認定ハードルは高く、当事者間の話し合いで揉める典型的な原因です。

また、特定の子が学費や住宅購入資金として多額の援助を受けていた場合、それは「特別受益」とみなされ、相続財産の前渡しとして計算(持ち戻し)されるべき場合があります。

「兄は家を建てるときにお金をもらった」
「弟は留学費用を出してもらった」といった不公平感が火種となり、協議が進まないケースも多いです。

こうした不満は、事前に生前贈与や介護負担の事実を家族間で共有し、ある程度の合意を形成することで軽減できます。
何も言わずに時間が経つと、後から対立が深刻化しやすくなるため注意が必要です。

4)特定の相続人が財産管理をしていた

親の預金や不動産を管理していた相続人がいる場合、不透明な資金移動があると疑念を持たれやすくなります。
特に使途不明金(いわゆる「使い込み」)が疑われると、不当利得返還請求訴訟などに発展する恐れがあります。

 

管理者としては善意で親のために使っていたとしても、領収書などの証拠がなく、きちんと家族に報告を行わなければ不信感を招きます。
一方で、管理にかかる手間やコストをほとんど見てもらえず、管理していた側が不公平感を感じる場合もあります。

トラブルを避けるため、日頃から家族全員に財産の現状を説明し、必要に応じて帳簿や預金通帳の写しなどを共有するなど、透明性を高める工夫が求められます。

1-3. よくあるトラブル例:不動産・遺言・行方不明者

具体的なケースを知ることで、対策を立てやすくなります。
特に以下の事例は「準備不足」により発生しやすいため注意が必要です。

1)相続財産が自宅の不動産しかない場合

主な財産が実家(住宅)のみの場合、分割方法を巡って揉める可能性が高くなります。
売却して現金化(換価分割)しようとしても、同居していた相続人が居住中であれば出て行く必要があり、生活基盤を失ってしまうため、強く反対するケースがあります。

一人が相続して住み続ける場合は、他の相続人に対して代わりの金銭(代償金)を支払う「代償分割」が一般的ですが、手元に十分な現金を用意できるかどうかが問題となるでしょう。

固定資産税やリフォーム費用などの負担をどう分担するかも含め、協議に時間がかかるケースが多いです。
感情的な面でも「実家を手放したくない」という思いが強いと話し合いが難航しがちです。
不動産査定等の客観的な情報を取り入れつつ、第三者の専門家を交えて話し合いを進めるという選択肢も含めて検討しましょう。

2)法的に不備のある遺言書が見つかる場合

手書きの遺言書(自筆証書遺言)が見つかっても、署名や日付の記載が抜けている、押印がないなど、民法第968条などの法的有効要件を満たしていないケースがあります。

遺言書が無効であれば、一から遺産分割協議を行う必要があり、相続人間で主張が対立しやすく、争いが長引く可能性があります。
なお、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での「検認」手続きが必要になります。

こういった問題を生前に回避しておくには、公正証書遺言を作成する、あるいは法律家に相談するなどの対策が必です。

3)相続人の中に行方不明者や認知症の人がいる場合

相続人に行方不明者や認知症の人がいる場合、そのままでは遺産分割協議を進められません。

行方不明者がいる場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる必要があります。

また、認知症で判断能力が低下している相続人がいる場合は、「成年後見制度」の利用が必要です。
後見人がいない状態での遺産分割協議は無効となるリスクがあるためです。
家族だけで解決しようとすると、後から無効を主張される可能性があるため、早めの専門家への相談が重要です。

1-4. 相続トラブルを未然に防ぐための生前対策

事前の準備と家族間の話し合いこそが、相続トラブルを防ぐ最善策です
相続発生まで問題を先送りせず、生前対策を行うことで、相続人同士の認識を早期にすり合わせることができます。

具体的には、遺言者として、財産目録を作成して資産(現預金、不動産)と負債(借金)をリストアップし、分配方針を検討します。
特に借金がある場合、相続放棄の期限(相続開始を知ってから3ヶ月以内)があるため、相続人としては早期把握が不可欠です。

また、高齢や病気によって判断能力が低下する前に専門家のアドバイスを受けておくことで、法的に有利な書類の整備や資産管理の仕組み作りが可能になります。

1)公正証書遺言の活用のメリット

トラブル防止に最も効果的なのは、安全性の高い「公正証書遺言」の活用です。
公証人が内容を確認して作成するため、無効になるリスクが極めて低く、法的に信頼性の最も高い遺言書です。

また、原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクもありません。
自筆証書遺言は自宅などで保管することが多いため、紛失リスクや発見されないリスク、第三者による偽造リスクがあります。

さらに、公正証書遺言であれば、相続開始後の家庭裁判所での「検認」手続きが不要なため、相続開始後にスムーズに名義変更等の手続きが可能です。

費用はかかるものの、トラブル防止の効果は非常に大きいため、事前に確実な意思表示を残す手段として積極的に活用する価値があります。

2)家族信託や成年後見制度の検討

認知症対策として、「家族信託」や「成年後見制度」の検討も重要です。

親が認知症になった場合でも信託契約によって受託者(信頼できる家族など)が財産管理や処分を続けられるため、相続における財産の凍結や混乱を最小限に抑えられます

成年後見制度も、判断能力が低下した人の代わりに財産管理や法律行為を行う仕組みです。
しかし、後見人を選任するには家庭裁判所の手続きが必要であり、専門職後見人がつく場合の報酬など、時間と費用がかかる側面もあります。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあるため、家族構成や資産状況に合わせて最適な制度を検討し、早めに手続きを進めることが大切です。

3)しっかりした相続財産・相続人の調査

相続財産と相続人の全貌を正確に把握していなければ、公平な分割はできません。
後から未発覚の財産や相続人が見つかると、協議のやり直しや新たな争いが生じます。

不動産に関しては、市町村役場で「名寄帳(なよせちょう)」を取得することで、所有不動産を網羅的に把握できます。

また、戸籍(出生から死亡まで)を収集し、認知した子や前妻・前夫との子などがいないか確認することも必須です。
これらの情報を整理・共有することが、スムーズな相続手続きの基盤となります。

1-5. 遺産に不動産が含まれる場合の注意点

不動産は分割が難しく、費用や手間もかかるため、相続時のトラブル要因になりやすい財産です。

相続対象に不動産が含まれる場合、単純に不動産を共有名義にするのはトラブルの原因となることがあります。
共有名義では他の相続人の同意がなければ処分や維持管理の方針を決めにくく、意見の不一致が続くと「塩漬け」状態になりかねません。

また、不動産は固定資産税や修繕費などの維持コストがかかるため、誰が、どのように費用を負担するのかを事前に決めないと不満が溜まりやすいです。

特に、相続人の誰も住む予定がない不動産または空き家の場合には、早めに売却や管理の方針を定める必要があります。

不動産の評価額を正しく把握するため、専門家の査定のもとで売却や代償金の算定を行うなど、客観的なデータに基づいて遺産分割を進めていきましょう。

1)共有名義を避けるための換価分割・代償分割

不動産の分け方には主に以下の方法があります。
共有名義を避けることは相続後の揉め事を減らす上で非常に有効です。

分割方法 内容と特徴
現物分割 土地を分筆するなどして、物理的に分けて相続する方法。
換価分割 不動産を売却して現金化し、その代金を分割する方法。相続人全員が公平に取り分を得られるメリットがありますが、希望価格で売れないリスクや税金(譲渡所得税)の考慮が必要です。
代償分割 特定の人が不動産を取得し、他の人に代償金を支払う方法。住み続けたい人がいる場合に有効ですが、取得する相続人に十分な支払い能力(資金)が必要となります。

 

費用対効果や将来の利用計画を含め、家族全員でどの方法が最適か検討するのが望ましいです。

2)固定資産税や維持管理コストの分担

不動産を取得した後は、固定資産税や維持管理費などのコスト負担が続きます。
相続登記(名義変更)が完了するまでの間も税金は発生します。
誰が費用を負担するか明確でないと、立替払いをした相続人の不満が募ります。

相続財産として受け継ぐ以上、単に資産価値だけでなくコスト面でも合意が必要です。
もし維持していくことが難しければ、早期に売却や賃貸化、あるいは国庫帰属制度の利用なども視野に入れるべきでしょう。

特に遠方に住む相続人が相続する場合、管理に必要な時間と労力をどうカバーするかも大きな課題です。
実際の負担を見越したうえで、事前に相談しておくと良いでしょう。

1-6. 遺言があっても揉める主な原因

遺言書が作成されていても、内容の不公平さや相続人の理解不足によりトラブルが発生するケースは少なくありません。

「遺言書があれば万事解決」ではありません。
内容が一方的すぎると、相続人の感情的な対立を招きます。
また、作成時に高齢や病気で判断能力が疑われる場合、「認知症で書かされたものだ」として無効を主張されるリスクもあります。

1)遺留分を侵害する内容が含まれている

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、親)に法律上最低限保障された遺産の取り分のことです。

たとえば、「長男に全財産を相続させる」といった極端な遺言書があった場合でも、他の子どもは遺留分を侵害されたとして、長男に対して「遺留分侵害額請求」を行う権利があります。

被相続人が特定の相続人に多く財産を残したいとしても、遺留分を考慮しないまま遺言書に記載すると、相続開始後に紛争の原因となります。

公正証書遺言であっても、内容が遺留分に抵触していないかどうか、抵触する場合は「付言事項」で理由を説明するなどの対策を、弁護士に事前に相談し確認しておくのが賢明です。

2)遺言書の有効性を巡るトラブル

遺言書は法律で定められた形式を守っていないと、いざ相続の場面で無効主張がされる可能性があります。

署名・押印や日付の記載が不十分、本文がパソコンで作成されている(自筆証書遺言の場合の要件違反)など細かな点が争点になることがあります。

有効性を巡る争いを防ぐには、公正証書遺言の利用や、遺言書作成当日の様子を録画したり、医師の診断書を取得したりして、客観的な証拠を残しておくことが有効です。

1-7. 実際にもめた場合の解決手段

遺産分割の話し合いが難航した場合、法的な手続きや専門家の介入が必要です。

相続人間の話し合いによる解決が最も望ましいものの、感情がこじれている場合は無理をせず、早めに第三者を交えることで解決への道筋が見えます。

早い段階で専門家に相談しておくと、スムーズに次のステップ(調停や裁判)に進めることもできます。
ただ、法的な手続きには時間も費用もかかるため、できるだけ協議によって合意できるように努めることも大切です。

相続に強い弁護士や司法書士などのサポートを得ることで、複雑な書類作成や手続きを正確かつ迅速に行いやすくなります。

1)話し合いと遺産分割協議のポイント

話し合いを実りあるものにするためには、事実関係を整理し、財産の目録を共有したうえで公平性のある提案を行うことが大切です。
曖昧な情報や推測に基づいた議論は、余計な対立を生みがちです。

感情的になり責任をなすりつけ合うと話は進みません。
できるだけ冷静な姿勢を保つことが協議の成功につながります。
必要に応じて弁護士を代理人として立てると、法的な観点から冷静な交渉が可能になります。
合意に至ったら必ず「遺産分割協議書」を作成し、全員の実印を押印してください。
これは不動産の名義変更や銀行手続きの必要書類となります。
また後日「言った・言わない」の水掛け論になるのを防ぐことができます。

2)家庭裁判所における調停・審判

話し合いが平行線の場合、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てます。

調停では、裁判官1名と民間から選ばれた調停委員2名からなる調停委員会が間に入り、双方の言い分を聞きながら調整を行います。
直接相手と顔を合わせずに話が進むため、感情的な対立を緩和できるメリットがあります。

調停で合意に至らない(不成立)場合は、自動的に「審判」手続きに移行します。
審判は裁判官が一切の事情を考慮して、法律に基づき強制的に分割方法を決定します。

これらの手続きには半年〜1年以上かかるケースも多く、精神的な負担も大きいため、早めに申し立てるかどうかの判断が重要です。

なお、遺産分割協議の合意ができない場合でも、相続税の申告期限(10ヶ月以内)は延長されません。
相続税申告が必要なケースでは、申告期限内に一旦は申告と納付を行なう必要があります。
その際に、「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出をしておかないと、配偶者の税額軽減などの特例が使えなくなるリスクもあります。

3)訴訟(裁判)による解決を検討する場合

遺産分割そのものは調停・審判で行われますが、前提となる事実に争いがある場合は、民事訴訟(裁判)が必要になることがあります。

例えば、「遺言書が無効である」「ある財産が相続財産に含まれるかどうか(範囲の確定)」といった争点は、遺産分割調停の前に訴訟で確定させる必要があります。

これは非常に時間と費用がかかる手段であり、精神的な負担も大きいものです。
結果的に家族関係が修復不能な状態に陥るリスクもあるため、慎重に判断すべきでしょう。

ただし、どうしても解決が得られなかったり、他の相続人が強硬な主張を引かない場合など、訴訟が唯一の手段となるケースもあります。
状況に応じて適切な専門家と相談のうえで進めることが大切です。

1-8. 弁護士に相談・依頼するメリットと費用感

感情的な対立が生じたら、迷わず弁護士に相談してください。

当事者同士では解決困難な問題も、弁護士が法的根拠に基づいて交渉することで、冷静な解決が可能になります。
また、弁護士は税理士(相続税)や司法書士(登記)と連携していることが多く、複雑な手続きを一括して任せられます。
費用はかかりますが、長期的な争いや精神的ストレスを回避するための「必要な投資」といえます。

1)冷静な第三者として交渉を代行してくれる

弁護士の最大のメリットは、冷静な第三者として交渉を代行してくれる点です。

感情的な言い争いから解放され、法律の専門知識に基づいた有利な条件での解決を目指せます。
特に、多額の財産や複雑な権利関係が絡む場合、法律のプロとしての交渉力が結果を大きく左右します。
必要な資料収集や相手方との連絡もすべて任せられるため、精神的な負担が大幅に軽減されます。

2)相続人調査・財産調査・調停代理など一括サポート

弁護士は、相続人の確定、財産調査、調停の代理人まで、すべてを一括してサポートします。

戸籍収集や銀行の残高証明書取得などの煩雑な手続きを、正確かつスピーディーに行います。
調停や裁判になった場合も、戦略の立案から書類作成、出廷まで対応します。
自分で行う場合のリスク(手続きミスや不利な合意)を回避し、最善の結果を得るために専門家の力は不可欠です。

2. まとめ

続問題は、早期の準備と専門家の活用でリスクを最小限に抑えられます。
「うちは大丈夫」という過信がトラブルの元です。生前の話し合い、遺言書の作成、財産の把握など、できることから始めてください。

もし揉めそうな気配を感じたら、問題が深刻化する前に弁護士へ相談することが解決への近道です。家族間の相互理解と法的な準備こそが、円満な相続を実現する唯一のカギです。

たちばな総合法律事務所では、相続トラブル、生前対策についての無料相談を実施しています。
税理士実務をおこなう弁護士が、税務・法務の両面から問題点を整理し、解決策を提案いたします

ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

遺産相続 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。