社外役員の弁護士の懲戒歴は再任時にはノーチェック?

2015.11.25

1 社外取締役・社外監査役とは

 日本の上場企業では、かつて、取締役や監査役は従業員から出世して就任する、生え抜きの方ばかりでした。
しかし、それでは、経営者の暴走を止めることが難しいということで、法改正もあって、「社外」の方、例えば別会社の著名な経営者、官公庁出身の方そして弁護士、会計士、税理士などの士業の方が、社外取締役や社外監査役として選任される事例が多くなっています。

2 5年以上在任しても「社外」といえる?

 個人的には、5年以上、社外取締役・社外監査役として在任される方は、本当に「社外」取締役・監査役に当たるのかなと疑問に思うことがあります。
特に、地方の上場企業には、適切な人員が見つからないという大義名分の下で、同じ人が何期にもわたり社外役員を務める例があり、緊張感を持って経営の監視ができているのか、ガバナンスは大丈夫なのかなと不安を覚える時があります(株主総会で舟をこいでいる方がいらっしゃったので)。
確かに、生え抜きの役員であれ、社外役員であれ、就任当初よりは緊張が解けていくのは当然だと思いますし、その方がコミュニケーションを取って情報を取得しやすくなるので、ガバナンスに資するというメリットはあると思います。
しかし、会社側は、社外役員の適性について再任時にはチェックするべきでしょう。また、社外役員側も、より良いガバナンスの実現のために役員会の出席はもちろん、株主総会にも緊張感をもって出席してほしいところです。

3 懲戒処分を受けた弁護士を社外役員として再任した事例も!!

 さらにひどい例では、地方の上場企業で、社外役員在任中に弁護士会から懲戒処分(戒告処分)を受けた弁護士を、社外役員として再任した事例がありました。取締役や監査役の職務としては、会社の経営が適法であることをチェックするというものがあるので、弊職は、その社外役員が懲戒処分を受けたのであれば、適法性をチェックする資格に疑義が生じるため、途中解任、少なくとも再任議案の提出はないだろうと思っていました。
ところが、社外役員としての能力が高いのか、真摯な反省をされたからなのか、分かりませんが、上記弁護士については、途中で解任されることはなく、また、再任議案が提出されて再任されました。

4 再任時にも懲戒処分歴くらいは調査するべき

 余談ながら、弊職は、3項で触れた会社の株式を、再任議案の承認されたことからガバナンスに不安を覚え、手放しました。もっとも、上記弁護士が社外役員として能力を遺憾なく発揮されていることもあってか、株価は上昇しているようです。
しかし、それでも、会社は、新しい人を社外役員として迎える場合はもちろん、再任議案を作成する段階においても、少なくとも士業については懲戒処分歴を調査したほうが良いのではないかと思います。
社外役員の人選をはじめとしたコンプライアンスに気を配る姿勢は、社内の従業員に対しても、社外の取引先に対しても、いい意味での緊張感を生むと思われるからです。

会社法務全般 に関する解決事例

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「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
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  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
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  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。