このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)
大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
従業員の横領と言っても、色々な態様があります。レジから現金を盗むもの、在庫商品をくすねてネットなどで売る、個人的な飲み食いを得意先との飲食と称して請求するなど、様々な態様があります(なお、窃盗か横領か詐欺かという法律上の区分はありますが、とりあえず「横領」とひとまとめにします)。
従業員の横領がわかるきっかけは、様々です。最近どうも客足の割に利益率がよくないという直観であったり、従業員が少し派手になったという印象であったり、はたまた他の従業員や取引先からの注意であったりします。
きっかけは様々ですが、慎重に裏付け、証拠収集をしていく必要があります。場合によってはレジを常時録画する監視カメラの設置も考える必要がありますし、抜き打ちでレジの現金や在庫を確認する必要があります。また、飲み食いの領収証について飲食店に照会する場合もあります。要は客観的な証拠を収集していく必要があります。
また、ほかの従業員からの通報などいわゆる「人証」には、特に慎重にその信用性を吟味する必要があります。実は通報した従業員が真犯人であったということもあるためです。
そのため、調査には、証拠評価・事実認定のプロである弁護士と相談しながら行ったほうがよいでしょう。