大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
マイナンバーが流出した場合の行政処分・レピュテーションリスク
1 マイナンバーに関する「行政処分」とは?
マイナンバーの監督組織として、特定個人情報保護委員会があります。
特定個人情報保護委員会は、①指導・助言、②是正勧告、措置命令、中止命令、③報告徴求・立入り検査などの権限を有するとされており、もし命令に従わない場合には、2年以下の懲役または50万円以下の罰金(法人は50万円以下の罰金)、検査を拒否した場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる旨規定されており、命令の実効性を担保しています。
ちなみに、検査拒否罪の重さは、国税の調査を拒否した場合と全く同じと重さとなっています(国税通則法127条2号・3号)。
2 行政処分は、企業名公表 → 風評被害へ直結
どの場合に命令が出るかなどはこれからの問題ですが、行政処分を受けると、法人名が公表される運用がとられるとのことです。
そのため、行政処分を受けると、レピュテーションリスクが実現してしまうことになります。災い転じて福をなすで、情報管理体制を築き上げるほかないですが、短期的影響と長期的影響の2つが発生します。
3 レピュテーションリスク~短期的影響
短期的には、やはり情報管理をしっかりしていない会社との悪印象を持たれますので、既存の取引が縮小するかもしれません。そのため、取引先、漏えいした場合には被害者へ、謝罪・事実関係の調査・再発防止策の策定・関係者処分などについて説明して、信用の毀損を少しでも抑える必要があります。
4 レピュテーションリスク~長期的影響
長期面での影響は、ネット空間に情報管理がしっかりしていない会社であるという情報残り続けることです。取引先の開拓や従業員の採用に支障が生じる恐れが出てきます。
5 結論
このように、マイナンバーについて行政処分を受けると、企業名の公表により風評被害が生じする恐れが高いです。そのため、普段から情報管理をしっかりする、具体的には就業規則や誓約書などの諸規定の整備、従業員教育、マイナンバー法が求める各種安全管理措置を実行し、実行したことを裏付ける証拠を残しておく必要があります。
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