マイナンバーが流出した場合、取締役個人も賠償責任を負う?

2015.11.12

1 マイナンバーが漏えいした場合、会社のみならず取締役も賠償義務を負うか?

 取締役は、会社とは別個の人格なので、会社が第三者に損害賠償責任を負ったとしても、取締役は、当然には会社とともに第三者に損害賠償責任を負うというわけではありません。また、会社に財産があるのであれば、会社に損害賠償請求すれば足ります。 もっとも、会社法は、取締役が「注意を怠ったことを知っていた場合」、又は「不注意の程度が著しい場合」のいずれかに当たる場合には、取締役個人も会社とともに第三者に対して損害賠償責任を負う旨規定していますらなければなりません(会社法429条)。 それでは、マイナンバーが流出した場合、取締役個人は賠償義務を負うでしょうか?

2 結局は、マイナンバー法の要求する安全管理措置を実行していたか否か

 「注意を怠ったことを知っていた場合」や「不注意の程度が著しい」を基礎づける事実か否かは、会社の規模、取り扱うマイナンバー(従業員のマイナンバー、顧客のマイナンバーなどいろいろありえます)、流出の態様、マイナンバーとともに流出した情報の重要性、代表取締役又は情報管理担当の取締役(CIO)だったかなど総合的に判断して認定するほかありません。 もっとも、個人マイナンバー取扱の基本方針を制定していない、鍵付きのロッカーに入れて保管していない、従業員の教育(年1回の講習など)をしていないとなると、法の要求する安全管理措置などを実践していないことになります。そうすると、取締役は、守るべき法律を守っていなかったから「注意を怠ったことを知っていた場合」に当たると判断される恐れが高いといえます。

3 取締役個人の損害賠償責任を回避するには?

 マイナンバーの流出が取締役個人の損害賠償責任に直結するわけではありませんが、従業員教育、マイナンバー法が求める各種安全管理措置を実行し、実行したことを裏付ける証拠を残しておかないと、 証拠がない ≒ 安全管理措置を実行していない ≒ 取締役の賠償責任 へと推認されてしまう恐れがあります。 したがって、取締役としては、自分自身の身を守るには、きちんと証拠を残しておく必要があります。

マイナンバー制度対策 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。