弁護士、医師からのマイナンバーの取得

2015.11.30

1 医師や弁護士などからの取得の難しさ

 報酬の調書(報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書)などにマイナンバーを記載する必要がありますが、医師や弁護士といった士業(師業)からマイナンバーを取得できるのかという声があります。
確かに、仕事に誇りをお持ちの方々からマイナンバーを教えてもらうのは大変かもしれませんし、弁護士会もマイナンバーの導入に反対していた経緯もあります。

2 マイナンバーを取得できなかったことは刑事罰等の対象ではない!!

 もっとも、税務署に提出する調書に、マイナンバーを記載しなかったから刑事罰の対象となるわけではありませんし、行政罰の対象となるものではありません。
そのため、会社が、医師や弁護士等にマイナンバーを教えてほしいと「お願い」して、教えてもらえなかったのであれば、それはそれで仕方ないですし、無理強いして関係が悪化するのは経営上の問題も生じると思われます。

3 大事なのは教示の「お願い」したが、「取得できなかった」という事実と証拠

 しかし、重要なのは、「お願い」したという事実と「教えてもらえなかった」という事実を記録化・証拠化することです。もし、証拠化しておかないと、架空の支払か否かという痛くない腹を探られますし、万一医師や弁護士等のマイナンバーが別ルートで漏えいした際に、「医師や弁護士等」のマイナンバーを取得していないという証拠になるからです。
そのため、誰が、いつ、どのような手段でマイナンバーの教示の依頼して、相手方はいつ、どのような手段で拒否したかについて、日報や一覧表などにしておくことが重要です。

 

 

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

マイナンバー制度対策 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。