空き家は解体しないほうがよい?

2016.4.20

1 相続空き家対策税制に関する記事

 本日の日経新聞に、相続空き家対策税制に関する記事があり、その中で空き家を解体すると、住宅用地でなくなるため固定資産税の負担が約4倍に膨らむ、解体するのは買主が見つかってからが原則であるという意見が書かれていました。

2 固定資産税だけを考えると正解だが・・・

 税負担という点だけをとらえると、解体するのは損であるというのはそのとおりといえます。また、解体費用もそれなりの値段となりますので、その点でも、買主が見つかってから空き家を解体するというのは合理的と言えます。

3 空き家が破損して第三者に損害を与えるリスクを考慮して決断

 ただ、空き家が老朽化により破損して、通行人や隣人などにけがをさせるというリスクは意外に無視できないものがあります。屋根から落ちた瓦が当たった、強風で壁がはがれたなどで、歩行していた人にけがをさせた場合、特に被害者が老人ですと被害が重篤なものになり、損害額が大きくなります。
そのため、固定資産税の負担増などのほかにも、第三者にけがをさせて損害賠償責任を負うリスクについても考慮したうえで、解体すると決める、解体しないもののリスクを考慮して損害保険への加入や増額を検討する、リスクは無視できる程度にとどまると判断して空き家のまま保有するという方針を決定したほうがよいと思われます。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

税務全般 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。