このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)
大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
妊娠と診断されてから定期検診や検査費用、通院費用は、所得税法の医療費控除の対象とされています。他に、出産で入院するときにタクシーを利用した場合のタクシー代(出産という緊急時に公共交通機関を利用することは期待できないため)や入院中の病院から支給される食事代も、医療費控除の対象となります。なお、健保組合から出産一時金等を受け取った場合には、医療費から出産一時金等を差し引いた残りが医療費控除の対象となります。
それでは、母体血を用いた出生前遺伝学的検査(胎児の染色体の数的異常を調べる検査)も、妊娠を契機とする検査なので、その検査費用も医療費控除になるのではないかと思われる方も多いと思われます。
しかし、現在の取扱いでは、同検査で染色体の数的異常が発見されても、治療につながるわけではなく、治療に先立って行われる診察と同様(所得税法基本通達73-4ご参照)には考えられないとして医療費控除の対象にならないとされています。
ただし、将来的に上記の取扱いが変更になる可能性もありますので、注意が必要です。