このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)
大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
平成27年以降に受ける贈与(相続時精算課税ではなく暦年課税のもの)では、一般贈与と特例贈与に分けられます。
両者の違いは、特例贈与は直系尊属から直系卑属への贈与、つまり祖父母や親が次世代である子や孫に対する贈与であり、一般贈与は特例贈与以外の贈与を意味します。
なお、特例贈与を受ける直系卑属(子や孫など)は、その年の1月1日で20歳以上である必要があります。
お金を必要とする若い世代にお金を使ってもらうため贈与を促進しようという趣旨と思われますが、特例贈与は税率が一般贈与より優遇されています。
410万円以上の贈与(基礎控除110万円を差し引いた後の金額が300万円以上の贈与)では、税率が優遇されるなどしており、710万円超1110万円以下の贈与金額の場合だと、一般贈与より10%も税率が低くなっています。
1110万円の贈与の場合ですと、全額が一般贈与の場合の贈与税は275万円、全額が特例贈与の贈与税は210万円と計算でき、税額にして65万円もの差があります(現預金ではなく、不動産を贈与すると更なる節税効果が生まれます。)。
ただ、410万円以上の贈与で、特例贈与の適用を受ける場合には、戸籍謄本など贈与する人ともらった人との関係やもらった人の年齢がわかる資料を提出する必要があります。
一般贈与と特例贈与の両方の贈与を受けた場合には、全額を一般贈与とした場合の税額と全額を特例贈与とした場合の税額を算出して、贈与財産額に按分するなどして贈与税額を算出します。この点は、税理士や弁護士に相談して申告したほうが良いでしょう。