相続税の「更正の請求」(税金の是正請求)

2016.4.4

1 「更正の請求」とは?

 「更正の請求」は、申告や処分等により確定した税額が過大であるとして、その是正(減額の更正処分)を求める制度です。正確な言い回しではありませんが、払いすぎた税金の還付請求と言うと分かりやすいかもしれません。

2 相続税の更正の請求(根拠法1つめ 国税通則法)

 相続税の更正の請求には、国税通則法23条によるものと、相続税法32条によるものがあります。
国税通則法23条には、さらに2つの種類があり、計算の過誤等を理由とするもの(同条1項)と相続開始後に生じた事由に基づくもの(同条2項)があります。
相続開始後に生じた事由に基づくものの例としては、被相続人名義の不動産について第三者から被相続人は借名に過ぎない(所有者としての実体がない)旨の判決が出た場合等が考えられます。ただし、馴れ合い訴訟、刑事判決は該当しないとされており、更正の請求ができる「判決」か否かは、弁護士に相談したほうが良いでしょう。。

3 相続税の更正の請求(根拠法2つめ 相続税法)

 相続税法32条には、遺産分割協議が成立した、認知・廃除・相続回復請求・相続放棄又はその撤回・取消により相続人に異動が生じた、遺留分現佐請求により返還又は弁償額が確定した、遺贈に係る遺言書が発見された又は遺贈の放棄があった、特別縁故者への分与に係る決定が確定したなどがあります(他にも細かく事由が規定されています)。

4 お困りの場合には

 上記でよく更正の請求をするか否か問題となるのは、遺産分割協議の成立、遺留分、相続財産に係る裁判の確定が多い印象があります。
もちろん、遺産分割協議が成立してから慌てて更正の請求の準備(又は修正申告の準備)をするのではなく、前もって準備しておく必要があります。なぜなら、更正の請求ができる事由が生じてから2か月以内又は4か月以内かなど要件を厳密に検討する必要があるからです。
相続税に限らず、更正の請求をどう進めたらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、http://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。