マイナンバーを外部提供する場合についての再確認

2015.11.26

1 外部提供先の再確認

 会社が従業員などから取得したマイナンバーを外部に提供するのは、税務署などの公的機関のほかには、年末調整事務や社会保険事務などを委託する税理士や社労士などに限られます。
したがって、上記の公的機関や税理士・社労士以外に対し、マイナンバーを提出する場合は、慎重に検討する必要があります。

2 間違いやすい例①:100%子会社への提供

 従業員を100%子会社へ出向させる場合、親会社は当該従業員のマイナンバーを子会社に教えてもよいでしょうか?
100%子会社で利害の対立がないので良いようにも見えますが、法律上別個の人格であることから、親会社が100%子会社に出向した従業員のマイナンバーを教えることは、目的外提供(故意の漏えい)に当たるとされます。そのため、子会社は、出向してきた従業員からマイナンバーを取得する必要があります。

3 間違いやすい例②:従業員への源泉徴収票にマイナンバーを記載

 源泉徴収票を従業員に交付する場合にも、当該従業員のマイナンバーの記載のない源泉徴収票を交付することとなっています。源泉徴収票の書式が税務署提出用にはマイナンバーを記載する欄がありますが、従業員交付用にはありません。
年末調整事務であわただしいときに、間違いやすいかもしれませんが、注意が必要です(なお、従業員家族のマイナンバーが記載された源泉徴収票を従業員に交付した一事をもって、刑事罰や民事賠償の対象となると解するのは難かしいのではないかと個人的には思われます)

 

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

マイナンバー制度対策 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。