このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)
大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
事例としては、父親が死亡し、相続人としては母親と子供がいたとした場合に、親に老後の余裕ある生活を送ってもらいたいという思いから、父親の相続財産を母親が全部取得してほしいという事案はたまに見かけます(相続税対策としては母親が相続放棄したほうがよい例もありますが、放棄するか否かは母親の意思に委ねられます)。
その場合に、子が相続放棄をしたらよいのですかと聞かれることがあります。
第一順位の相続人である子供が相続放棄すれば、配偶者である母親がすべての相続財産を取得できるかというと、必ずしもそうとは言えません。亡くなった父親の親(第二順位の相続人)や兄弟姉妹(第三順位の相続人)に相続権が発生する可能性があるからです。
第二順位の相続人はいないことは多いのですが、第三順位の相続人が存命であることは多く、残された母親と父親の兄弟姉妹と遺産分割協議をしなければならなくなり、話がややこしくなります。
そのため、残された母親に相続財産を集中させる場合には、母親と子供とで遺産分割協議をして、母親が父親の相続財産のすべてを取得する旨の協議書を作成するのが無難です。
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