相続における寄附(非課税)

2016.9.20

1 非課税になる寄付とは?

 一般的に、相続で得た財産を公益目的の団体に寄付すると、非課税になるとイメージしがちです。
しかし、非課税となるには、一定の要件を満たす必要があり、①相続により取得し相続財産であること(死亡保険金、死亡退職金などみなし相続財産は含まれます)、②相続税の申告期限までに寄付すること、③すでに設立されている「特定の公益法人」であること、④相続税非課税対象法人の証明書の添付などが必要です。

2 「相続税非課税対象法人の証明書」の発行に時間がかかることに注意

 上記のうち、「相続税非課税対象法人の証明書」の発行については、寄付を受ける法人から取得することになりますが、例えば学校法人が文部科学省に申請すると1~2か月かかりますので、余裕を持って書類を収集する必要があります。
なお、文部科学省は、HPで(http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/008/1289852.htm)、申告期限の2か月前に証明申請書を提出するように求めていますので、ぎりぎりにならないよう注意が必要です。

3 相続「により」取得し相続財産とは?

 相続財産と寄付財産との間での因果関係というか条件関係が要求されます。そのため、口座が凍結されて被相続人の財産の払戻しを受けることができない状況で、寄付を急ぐあまり、相続人の預金や香典から寄付すると、この要件を満たさないことになります。
また、上場有価証券をそのまま寄付する場合には問題はないですが(受け入れ側が難色を示すかもしれません)、上場株式・投資信託を売却して、その売却代金を寄付すると、寄付したのは被相続人ではなく相続人となって、非課税と認められないことになります。

4 お困りの場合には

 相続税の申告、必要な添付書類、調査にはいられにくい申告書をどう作成したらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、https://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。