相続放棄しないまま相続人が死亡した場合の相続放棄

2016.7.14

1 相続人が相続放棄しないまま死亡した場合の相続放棄

 相続放棄は、相続の開始があったことを知ってから3か月以内にする必要があります。もっとも、上記の3か月を経過する前に相続人が死亡し、さらに相続が開始してしまう場合(再転相続)があります。
例えば、祖父が死亡し、次いで子である父が死亡した場合を考えると、孫は、①祖父の第一相続に関する相続放棄と②父の第二相続に関する相続放棄の2つを考える必要があります。

2 第一相続の熟慮期間の延長

 孫としては、第一相続と第二相続の両方を検討しなければなりませんが、第一相続の熟慮期間については、第二相続の熟慮期間まで延長されます(民法916条)。市が立って、孫としては、父の死亡を知ったときから3か月以内であれば祖父の相続について相続放棄できることになります。

3 順番に注意?!

 孫は、第二相続について先に相続放棄すると、第一相続について相続放棄できない、する必要が無くなります。父の有する第一相続に係る相続放棄権も失うからです(孫は、第二相続の相続放棄をしているので、祖父の財産・負債を引き継ぐことはありません)。
他方、孫が、第一相続の相続放棄をした場合、第二相続について相続放棄をするか否かを決める必要があり、第二相続について相続放棄しない場合には父の財産を引き継ぐことになります(引き継ぎたくない場合には第二相続についても相続放棄手続をする必要があります)。
このように、第一相続、第二相続のいずれから相続放棄手続をとるかによって、相続放棄手続を2回する必要があるかが変わってきます。

4 お困りの場合には

 相続放棄手続をどう進めたらよいかわからない、第一相続や第二相続が重なってどちらから相続放棄手続をしたらよいかわからない、死亡してからかなり期間が経過している場合に相続放棄できるかわからないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、https://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。