相続税の対象~相続開始時に現にあった財産~

2016.6.27

1 相続税の対象~相続開始時にある財産~

 相続税の対象は、相続開始時(被相続人の死亡時)に現にあった財産が対象となります。
そのため、極端な例ですが、相続開始の1週間後に落雷で建物が全壊しても、建物の相続財産評価額を申告書に計上する必要があります(建物の滅失ついては、所得税の資産損失の要件を検討することになります)。

2 勝手に引き出された預貯金は?

 そうすると、相続開始の前に、被相続人と同居している親族が、被相続人の預貯金口座を引き出している場合はどうでしょうか。
引き出した預貯金が現金のまま置いてあると、当然ながらその現金が相続財産となります(ただし、現金の存否と金額の立証というハードルがあります)。
また、親族が引き出したお金を使っていた場合には、被相続人のために使った部分(病院代や生活費など)は費消しているため相続財産とはなりませんが、それ以外の部分、つまり被相続人の了承のないまま親族の利益に使用し田部分については、不当利得返還請求権という債権として相続財産の評価対象となります。もっとも、やはりどれが被相続人に必要だったか、親族が勝手に使ったかの線引きが難しい面があります。
これは、対税務署でも問題となりますし、相続人間の不当利得返還請求訴訟(又は不法行為に基づく損害賠償請求訴訟)でもシビアな争いとなります。
もちろん、その前提として、銀行から入出金明細を取り寄せて、入出金と使途とを分析する必要があります。

3 お困りの場合には

 銀行からの入出金明細の取り寄せをどうしたらよいかわからない、どう分析したらよいかわからない、税務署から直前の出金の使途の指摘を受けたが、本当にわからないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、http://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。