相続放棄の熟慮期間の延長と債務調査

2016.6.23

1 相続放棄の熟慮期間

 相続放棄は、自己について相続があったことを知った日から3か月、具体的には親が死亡したことを知るなど自分が相続人であることを知った日から3か月以内に行う必要があります。この3か月を熟慮期間と言われることが多いです。

2 熟慮期間の延長

 もっとも、3か月間で財産の有無や債務の有無を調べあげることは、難しいので、熟慮期間の延長申し立てという制度もあります。調査が終わりそうにない場合には、熟慮期間の延長申し立てをして調査を継続することになります。

3 債務、特に保証債務の調査は?

 亡くなられた方ご自身が借金をしている場合には、債権者から督促が来たりして分かる場合が多く、また、信用情報会社に亡くなられた方の借入情報について開示請求をして知ることもできます。
もっとも、保証債務については、主債務者がキチンを支払っていると保証人に督促が来ることはなく、また、信用情報会社も管理していなくいため、保証していたか否かわからないケースが多いです。
そのため、亡くなられた方の職歴、生前の生活状況や交友関係、残された書類関係などから総合的に判断して、他人の債務を保証しているかを予想することになります。この点は、弁護士として断定することは難しく、最終的には依頼者が相続放棄するか否かご決断していただく必要となります。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。