外国の不動産の評価

2016.6.7

1 日本の不動産の評価

 相続税や贈与税の申告で、日本の不動産が対象の場合には、財産評価基本通達がありますので、路線価地域か倍率地域かなどを確認して評価していくことになります。
また、財産評価基本通達の土地の評価は、「評価の安全」、つまり時価額を超えた金額を基準に税額を計算すると不当に重い負担を課すことになるため、時価額の80%ほどになるケースが大半です。

2 外国の不動産の評価は?

 外国の不動産については、当然ですが、「路線価」の設定などはありません。そのため、外国の不動産は、原則に戻って、時価額で評価することになります。
もっとも、「時価」と言っても、それだけで金額が算定できないので、売買の実例、地価の公示制度に基づく価格、鑑定評価額等から評価することとされます(財産評価基本通達5-2)。
もっとも、上記の評価方法は、路線価のような「評価の安全」という考慮が働く余地がないため、例えば1000万円の現金で、日本の不動産と外国不動産を購入すると、相続税評価額に差が出て、日本の不動産の評価額のほうが安くなる可能性が高いといえます。
なお、投資として考えた場合には為替リスク、物価変動リスクなどがありますので、税務評価のみを考慮した投資はお勧めしません。

3 時点修正は可能

  外国の不動産で、相続した時と売った時とでは物価の変動でよく見られますので、極端でない限り(「課税上弊害がない限り」という留保条件があります)、時点修正してよいとされています。

4 お困りの場合には

 相続税の財産評価、相続税の申告、又は相続手続をどう進めたらよいか分からないなどでお困りであれば、たちばな総合法律事務所へご相談ください(初回30分無料)。 ご相談のご予約は、http://law-tachibana.sakura.ne.jp/law-tachibana.jp/contact/ 又は06-6467-8775にお電話いただいてご予約いただき、お気軽にご相談ください。

このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)

大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995

相続手続き・遺産相続執行 に関する解決事例

  • 橘高和芳弁護士が担当した遺産相続に関する事例が
「金融・商事判例 No.1553号」(2018年11月15日号)
に掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
週刊ダイヤモンド「相続&事業承継(決定版)」(2018年12月号)
に掲載されました
  • 相続問題事例
  • 遺産相続・遺言書に役立つ書式集
  • 遺産相続トラブル解決チャート
  • 2016年10月 日経MOOK「相続・事業承継プロフェッショナル名鑑」のP84に「羽賀・たちばな会計事務所」が、P134に「たちばな総合法律事務所」が掲載されました。
  • 弁護士・税理士 橘高和芳が
「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。