このコラムを書いた弁護士
弁護士 橘高和芳(きったか かずよし)
大阪弁護士会所属 52期/登録番号:27404
近畿税理士会所属 税理士/登録番号:130995
遺産分割で、弁護士を入れずに相続人同士の話し合いで何とかしようとすることは多々あり、それで解決している事例も多いと思います。
もっとも、遺産の分け方、寄与分、特別受益などで相続人同士で対立することも、よくあり、このように話がかみ合わない、相続人全員の合意に至りそうになさどうであるという場合には、弁護士を自分の代理人として選任したほうがよいでしょう。
弁護士を選任するメリットは、まず戸籍謄本や不動産謄本などの収集が早いという点が挙げられます。
また、遺産分割調停・審判になった場合に、どのような帰結になるか、当方の主張は法的又は証拠的にとおるものなのかを見通しながら手続きを進めることができるので、本人で調停や審判手続きに当たるよりは結果的に早く解決に至る可能性があります。相手方またはその代理人の主張にどう対応するか(単なる駆け引きで言っているのか、本気で立証する気で言っているかの見極めなど)、証拠をどう収拾ないしは提出するかなどは、経験しないとなかなか分からないところだと思います。
また、相続税に詳しい弁護士であれば、中長期的税負担を考慮することもできます。
デメリットとしては、やはり弁護費用の支払いを要するというものがあります。弁護士を入れずに自分一人でやっていけると判断するか、弁護士は依頼者の盾であり槍であるので、自分の守るための費用、転ばぬ先の杖だから選任すると判断するかという価値判断の問題と言えます。