民泊法成立

2017.6.9

1 民泊法成立

 民泊法(住宅宿泊事業法)が本日成立し、来年1月から施行されることになりました。
今までは、旅館業法の簡易宿所の許可を得るなどのハードルがあり、ハードルの一つがなくなったということになります。そのため、民泊がこれからどんどん増えていくと思われます。

2 マンションの管理規約との関係に注意

 ただ、民泊法が成立したから、どのような物件でも民泊が認められるかというと、そうではないと思われます。旅館業法も民泊法も行政規制にすぎないので、マンションの管理規約で民泊を禁止している場合には、それに従わざるを得ないでしょう。そのため、何十戸あるうちの1戸のみを所有して民泊の用に供する場合には管理規約の制限に服さざるをえないでしょう。
他方で、マンション一棟まるごとを民泊のために使用するのであれば管理規約を自由に定められますので、アパートやマンションについて丸ごと民泊の用に供する、一戸建ての内部を区切って民泊の用に供するというのは、営業日数の制限はあるものの合法になると思われます。

3 一棟民泊の場合の近隣からの苦情への対応度も変化か?

 マンション・アパート一棟丸ごと民泊、一戸建て丸ごと民泊の場合、近隣からの苦情(宿泊者が騒いだ、ゴミ出しルールを守らないなど)も問題となり得ます。新法でも10条で適切・迅速に対応しなければならないとしています。
上記については、純粋な民事問題として考えると、苦情を言う側に立証責任があるので(騒音が騒音規制を超えているなど主張立証する必要がでてきます)、民泊事業者サイドとしては従前ほど熱心に対応をする必要性は下がったと言えます。
もっとも、苦情を放置すると、業務妨害まがいで宿泊者に付きまとう、営業日数の引き下げの条例制定運動にもなりかねないので、やはりクレーム対応はしたほうが良いでしょう。

4 税務署もマークしていることを忘れずに

 そして、民泊事業をされる方は、確定申告をあまりしない方が多いよう印象があります。
もっとも、税務署も、税金が取れる業種・業態について常に研究開発しています(セドリを業とする個人の方が結構いますが、税務調査を受けてどうしたらよいかという相談が結構あります)。
そのため、税務署も、アメリカや中国の民泊仲介サイトを常にチェックするようになる(あるいは既にしている)ので、一棟丸ごと民泊に供していると、おそらく一罰百戒を狙って税務調査に入られてしまうと思われます。大規模に民泊をする場合には、届け出は勿論、事業ですのできちんと帳簿を作成して税務申告をするなどをしたほうが良いでしょう。

5 民泊の収入の所得区分は?

 なお、個人の方の場合、所得区分は、事業所得か、雑所得か、不動産所得か(不動産所得の場合には事業規模か否か)が問題となり得ますが、単に空間を貸すというよりも、備品の整理・清掃などのサービスも提供するので事業所得(事業というほどでなければ雑所得)になると思われます。
所得税法基本通達26-4で、食事を供しない下宿は不動産所得、供する下宿は事業所得か雑所得である旨の例示をしているとおり、単に不動産を所有して稼いでいるだけなのか、不動産にサービスを付加しているのかで区別されるからです。
なお、民泊の年間所得が20万円以下で、他に給与所得しかなければ確定申告不要となります。「雑所得20万円」ですので、民泊の売上が30万円、経費が15万円かかっていると、雑所得15万円となるため、他に給与しかない場合には、確定申告をする必要はなくなります。そのため、領収証を色々保存しておいて、確定申告をするかしないか、する必要が無い場合にはも税務署の問い合わせに太すぐに対応できるように備えておく必要があります。
ただし、外国税額控除などで確定申告をしなければならない場合には、雑所得が20万円以下でも、確定申告する以上は雑所得を申告しなければならないことに注意が必要です。

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「フジサンケイビジネスアイ」
に掲載されました
(2015年11月2日(月)27面)
  • 旬刊「経理情報」2016年4月20日号(NO.1444)に「D&O保険の保険料にかかる税務ポイント」を寄稿いたしました。